人手不足解消!女性の早期復職を支援する企業の独自制度とは?

育児休業の早期復職にはメリットがいっぱい
女性が取得する育児休業期間は、マイナビ「育休に対する男女の意識差と実態調査(2024)」によると、1年未満が34%、1年以上が63.5%と、1年以上が大多数となっています。
育児介護休業法では原則子が1歳になるまで育児休業を取得することができ、雇用保険法にて、育児休業給付金が支給されますが、多くの方が保育園に入園できないなどの理由により延長しているということになります。
しかし、男性育休が少しずつ広がりつつある今、早期復職を希望する検討する方が増えています。
女性従業員が早期復職を希望する理由には下記が挙げられます。
女性従業員が早期復職を希望する理由
- 収入のため(支給される育児休業給付金の給付率は、始めの180日間は67%、それ以降は50%に減額される)
- キャリア形成に支障が少ない(休業が長くなればキャリアが分断され、能力を磨き、体験を積む機会も減る)
- 0歳児は保育園に入りやすい(特に保育園激戦区に住んでいる方、希望の保育園に入園させたい方は重要!)
- 子育てのみの生活より、早く仕事を再開させることでイキイキと生活できる(私は完全にコレです)
「子どもが小さなうちはできるだけそばで見ていたい」と可能な限り長く休業を希望する方がいる一方、これから長く続く子育て期間に向けて、仕事との両立に備え、早期復職を希望する方も多いです。
女性の早期復職に対して、企業としてどのような反応が多いでしょうか。
これには歓迎する企業が多いようです。育児休業期間中は、通常給与の支払いは発生せず、労使で負担していた社会保険料も免除されるため、休業期間が短縮することへの直接的な経済的メリットはないように思われますが、下記のようなメリットを感じている企業は多いようです。
企業側の女性従業員の早期復職のメリットには
・人材確保の見通しがたてやすくなる
・同僚の負担も少なくできる
・長期に休業すれば仕事復帰へのモチベーションが下がり、休業後退職する者が増える傾向にある
・休業期間が長期化するほど、仕事上のルール改編、法律や業界の変化への対応に負荷がかかる
・代替要員を新しく雇用せずに済むこともある
などが挙げられます。
特に人手不足の企業は、少しでも早期に復職してほしいというのが正直なところかと思います。
そこでこの記事では、女性の早期復職を応援する制度をご紹介します。
女性の早期復職を促す「アーリーカムバック制度」とは?
「アーリーカムバック制度」とは、女性従業員が育児休業から早期に復職し、子が1歳になるまでの期間に月額の支援金などを支給する制度で、女性の早期復職を促進する効果があり、その呼称は企業によって様々です。
三井住友信託銀行は、子が1歳未満のうちに復職した人を対象に、家事代行や食事・食材の宅配サービスなどに使えるポイントを月5万円分支給する制度を導入しました。
参考リンク:育児と仕事の両立をサポートする『両立応援カフェテリアプラン制度』の導入について
https://www.smtb.jp/-/media/tb/about/corporate/release/pdf/240430.pdf
早期復職を目指す女性従業員にとっても、人材確保に悩む企業にとっても、とても良い制度だと思います。
しかし、支援金を支給するといっても、「大手企業だからできるんでしょ?原資はどうするの?」という声が聞こえてきそうです。
しかし、こんな発想はいかがでしょうか。
育児休業中は、雇用保険から育児休業給付金の支給がされるため、企業として支給せずに済んだ給与や軽減された社会保険料の一部をこちらに充当させることも可能でしょう。また、復職後は、育児短時間勤務制度を利用するケースが多く、当該従業員への給与は減額されていることが多いので、1歳までその減額分の一部を補填することにもなり得ます。
例えば、
休業前、所定労働時間1日8時間、月160時間、月額30万円の方が、
産後休業2か月(8週)+育児休業6か月間取得
⇒ 育児短時間勤務制度を利用し、所定労働時間1日6時間、月120時間、月額22.5万円で復職する場合
アーリーカムバック制度にて、月額2万円の支援金を約4か月間(1歳まで)支給
この場合、支援金として支給する額は合計8万円となり、企業にとってさほど大きな負担なく、従業員の早期復職へのモチベーションを上げることができます。
また、企業としては「休んでいた従業員にプラスアルファの給与を支払うのはどうなのか?」という心の声も聞こえてきそうです。
確かに育児休業を取得する周囲の従業員ではなく(※)、本人に法律以上の給与を支払うことに「優遇しすぎじゃないか?」と抵抗感をお感じの方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、この制度を導入される企業は、早く復職してもらえることで人手が確保され、新しい代替要員を雇用する必要がなくなったり、周囲への負担が軽減されるのであれば、本人にとっても企業にとってもWinWinな制度と捉えています。
※育児休業を取得する周囲の従業員に手当等を支給した場合、助成金の対象として申請できるようになりました。詳細は下記にて確認できます。
気をつけたいポイント
早期で復職する場合、子どもが産まれて日が浅いため、女性従業員や子どもの体調が安定しない等、何かしらフォローが必要なケースもあるでしょう。復職後の柔軟な働き方を選択できる体制づくり(フレックスタイム制度や時差出勤制度で始業終業時刻の変更を認める、リモートワーク、法を上回る看護休暇など)や面談等を通した相談しやすい雰囲気づくりは重要といえます。
最後に
仕事と育児の両立支援は、従業員の「休業」を応援することではなく、「働く」を応援することです。こういった会社独自の制度を設けることで、従業員の仕事と育児の両立を支援し、周囲の従業員への負担軽減、企業の人材不足を補う効果をもたらす効果が得られます。また、対外的にPRすることで、働きやすい職場環境づくりに取り組んでいる企業として人材確保につなげる効果も期待できます。
こういった会社独自の制度導入や個々の課題に向けたご相談があれば、当事務所にご相談ください。

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