2025年4月スタート!育休中も手取り10割の新制度とは?
育児休業期間中に支給される「育児休業給付金」。
従来の制度では、休業前の賃金の67%が支給され、社会保険料の免除や非課税扱いになることから、実質的な手取り額は約8割となります。
しかし、出産直後は何かとお金がかかる時期。収入が減ることが、特に男性従業員にとって育休取得の大きなハードルになっていました。
そこで、2024年6月5日に成立した「子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律」により、一定期間の育児休業給付金の手取り額を実質10割に引き上げる「出生後休業支援給付」が導入されることになりました。
この記事では、2025年度(令和7年)から新たに始まる「出生後休業支援給付」について解説します。
また、2025年1月1日改定版の「育児休業等給付の内容と支給申請手続き」が公開されていますので、詳細を知りたい方は下記の参考リンクもご確認ください。
https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/001374956.pdf
これまでの育児休業給付金とは?
従来の育児休業給付金は、
・原則1歳未満の子を養育するための育児休業において、
・休業前賃金の67%(181日目以降は50%)が支給されます。
・産休および育休期間中は、健康保険料や厚生年金保険料(社会保険料)が免除される仕組みがあり、
・さらには非課税で、所得税や次年度の住民税がかからないことを勘案すると
手取りベースで8割程度になります。
※育児休業給付金が支給されるには雇用保険の被保険者であること、過去2年間に11日以上勤務した月が12カ月以上あることなどの要件に満たす必要があります。
育休中の収入減を補う「出生後休業支援給付」とは?
2025年4月から「出生後休業支援給付」が創設されることにより、一定期間において、手取りベース10割の給付が支給されることとなりました。「出生後休業支援給付」は以下の内容となります。
「出生後休業支援給付」は、
・子の出生直後の一定期間(男性は子の出生後8週間以内、女性は産後休業後8週間以内)に、
・夫婦そろって14日以上の育休を取得した場合(※)、
・28日間を限度に
・通常の育児休業給付に休業前賃金の13%が上乗せされます。
従来の育児休業給付金(休業前賃金の67%)+出生後休業支援給付(休業前賃金の13%)
=休業前賃金の80%の給付
これに社会保険料の免除、非課税であることを勘案すると、手取りベースで10割程度の給付となります。
※配偶者が専業主婦(夫)の場合や、ひとり親家庭の場合、自営業者やフリーランスの場合等は、「夫婦そろって」育休取得ができないため、配偶者の育児休業の取得を求めずに支給されます。
※社会保険料が免除されるには「14日以上の育休取得」が要件となっており、14日未満の取得では当制度ならびに社会保険料免除は対象外となります。

被保険者が男性の場合は、本人が出生時育児休業給付金(または育児休業給付金)が支給される場合は、原則支給されるため、母子手帳等の添付書類があれば比較的容易に申請できます。
一方、女性の場合は、配偶者が出生時育児休業給付金(または育児休業給付金)を支給されていることを確認(配偶者の雇用保険被保険者番号を記入)した上で支給されることになります。
ただし、配偶者が公務員や自営業等の場合は、続柄付の住民票やほか複数の添付書類が必要になります。





男性従業員に対する「出生後休業支援給付」の支給期間は、2022年10月から新設された「出生時育児休業(産後パパ育休)」の支給期間と同じ「出生後8週間以内の4週間」です。併せての活用が想定されています。
まとめ
この制度は、育休前の手取り額を減らさずに出生直後の育休取得を可能にするもので、特に取得率が低い男性従業員の育休取得を促す支援策といえます。長期間の育休取得が難しい場合でも、パートナーの体調回復が必要な出産直後の1か月間を、育児に専念できる期間として活用しやすくなります。これにより、その後の夫婦それぞれの仕事と育児の両立を支援し、職場への満足度向上や長期的なキャリア継続にもつながるでしょう。
また、女性にとっても育児休業の初月の給付率が上がることや、配偶者が自営業者の場合も対象となる点は、より多くの人にとって利用しやすい制度設計といえます。
従来の育児休業制度に新たな仕組みが加わることで、やや複雑に感じるかもしれませんが、少しずつ理解を深め、上手に活用していきましょう。









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