改正育児・介護休業法が成立、2025年4月施行へ
改正育児・介護休業法が2024年5月24日の参議院本会議で可決、成立しました。
そして、5月31日、次世代育成支援対策推進法とともに改正内容が交付されました。
この改正法の主な柱は、子どもが3歳から小学校に入学する前までの期間、テレワークや時差出勤など、複数の選択肢から従業員が働き方を選べる制度の導入を全企業に義務付けることです。
2021年6月の改正時は、主に「取得が進んでいない男性育休を促進しよう」という内容でしたが、今回の改正は「復帰後の育児と仕事の両立支援を強化していこう」という趣旨になります。
早速、概要リーフレットが公開されています。
育児・介護休業法、次世代育成支援対策推進法 改正のポイントhttps://www.mhlw.go.jp/content/11900000/001259367.pdf
3歳以降の子育て支援を強化
今回の改正法の狙いは、0~2歳の子育て支援に比べて手薄とされている3歳以降の子育て支援を手厚くすることにあります。主な改正内容は以下の通りです。
- 柔軟な働き方の選択肢を2つ以上設置 施行日未定(交付後1年6か月以内)
3歳から小学校入学前までの子を育てる従業員に対して、テレワークや時差出勤、短時間勤務などの選択肢を2つ以上用意し、従業員が1つを選択して取得できるようにする。 - 残業免除の延長 2025年4月1日施行
残業免除(所定外労働)の対象期間を現行の「3歳になるまで」から「小学校入学前まで」に延長。 - 看護休暇の拡大 2025年4月1日施行
子が病気などの場合に年5日まで取得できる看護休暇を、「小学校入学前まで」から「小学校3年生まで」に延長。この看護休暇は子の病気のほか、感染症流行による学級閉鎖や入学式や卒園式などの行事参加などでも利用可能となる。 - テレワークの導入 2025年4月1日施行
3歳になるまでの子を養育する労働者に対して、事業主が講ずる措置(努力義務)の内容にテレワークを追加。 - 個別の意向の聴取と配慮 施行日未定(交付後1年6か月以内)
妊娠・出産の申出時や子が3歳になる前に、労働者の仕事と育児の両立に関する個別の意向の聴取(勤務時間や場所、業務量等の希望を確認し見直しを行うなど)・配慮(障害の有無やひとり親である場合への配慮)が事業主に義務付けられる。
そのほかの改正ポイント
上記以外には下記のような改正が盛り込まれています。
男性の育児休業を推進する上での取得状況公表や、介護に直面した労働者に対する個別周知等の義務付けがあります。
- 男性の育児休業取得状況の公表義務が300人超の企業に拡大 2025年4月1日施行
男性の育児休業等の取得状況公表義務が現行の「1000人超」から「300人超」の企業に拡大される。 - 介護離職防止のための個別の周知・意向確認、雇用環境整備等の措置の義務化 2025年4月1日施行
介護に直面した旨の申出をした労働者に対する個別の周知・意向確認の措置や研修、相談窓口設置等の雇用環境整備等を設置することが事業主に義務付けられる。
※2022年施行された妊娠出産の申出をした労働者に対する周知・意向確認や雇用環境整備と同様のものとなります。 - 育児休業取得等に関する状況把握・数値目標設定の義務付け 2025年4月1日施行
従業員数100人超の企業に義務づけられている一般事業主行動計画に、男性の育児休業等取得率や労働時間の状況把握と数値目標が義務付けられる。
柔軟な働き方選択制度等支援コースは今年度限りの可能性も
令和6年4月に新設された両立支援等助成金の「柔軟な働き方選択制度等支援コース」は、今回の改正と同様の制度を導入し、対象従業員が制度を利用した場合に助成される内容になっています。
(具体的には柔軟な働き方選択制度等を2つ導入し、対象従業員が制度を利用した場合、20万円、3つ以上導入し、制度を利用した場合25万円が助成)
参考リンク
令和6年4月からの変更点に係るリーフレット https://www.mhlw.go.jp/content/001226133.pdf
今回の改正が成立したことで、柔軟な働き方選択制度は2025年から義務化されることなるため、新設された当コースは今年度限り、または、2025年度残ったとしても助成額等は縮小されることが予想されます。
3歳以降小学校就学前までのお子さまを養育し、柔軟な働き方を希望されている方がいらっしゃいましたら、当制度導入と当助成金活用が育児と仕事の両立を高めることに繋がります。是非チャレンジされてはいかがでしょうか。
まとめ
今回改正により、育児と仕事の両立がより一層進められることが期待されます。
これまで出産・育児時期の初期において、仕事を継続するための休業制度は十分に整備されていましたが、復帰後、育児と仕事の両立に大きな負担を感じたり、仕事の継続を断念せざるを得ないケースが沢山ありました。その状況が、よりイキイキと、長く続く育児と仕事を両立できる環境づくりの一助となる法改正であると感じます。
企業としては、育児中の従業員にどのような選択肢を用意するのかをはじめ、小さな子どもを養育する従業員への支援体制を検討していくことが求められます。就業規則の改定や対象従業員への個別周知と意向確認、周囲の従業員への調整などの対応など、やることは少なくないのですが、円滑な運用を目指して準備していきましょう。
参考リンク
厚生労働省「第213回国会(令和6年常会)提出法律案」
https://www.mhlw.go.jp/stf/topics/bukyoku/soumu/houritu/213.html

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